世界中で武器産業を展開するイスラエル
「これはぜひ、日本の皆さんにも観ていただきたい。日本でも上映できるといいです」―本紙で「イスラエルに暮らして」を連載するガリコ美恵子さんがおすすめする映画「The Lab」が5月27日テルアビブで上映される。主催は、パレスチナの解放を求め闘う市民団体「Amnesty International Israel 」。
イスラエルが世界中で行っている武器輸出の実態が描かれ、イスラエルの政治家と軍人と軍需産業とハイテク企業と各国大使館がどのように連携して武器で大儲けしているか。その結果、多くの国で、罪のない尊い命が奪われているかをドキュメントで追っている。
2010年、イスラエルの武器関連輸出は、年間72億ドルに達した。イスラエル総輸出の20%以上が軍事的なものであるか、軍に関連し、約15万世帯が軍需産業に依存している。イスラエルは世界で4番目に大きな武器の輸出国だ。
「The Lab」は、以前エルサレムのシネマ・テックで上映され、大変な反響だったという。この映画の上映と、これに関連した講演会を人権弁護士が企画したが、当時の文化相のミリ・レゲブがエルサレムのシネマ・テックに中止するよう脅しをかけ、それが余計に宣伝になって、300人収容のシネマ・テックは満員になった。
日本も軍需産業に進出
軍事大国化への動きは日本にもある。今年6月に「MAST Asia 2019」、11月に「DSEI Japan 2019」という国際的な武器の見本市が、千葉県の県有施設=幕張メッセで開催される。
これに対し、5月22日、レイバーネットTV・第140号では「止まらない軍拡日本~幕張メッセで武器見本市」をテーマに、特集が組まれた。ゲストの杉原浩司さん(武器輸出反対ネットワーク=NAJAT代表)は、日本が高額な殺人兵器を買いまくり、「敵基地攻撃用の日本版トマホーク」の導入まで進んでいることを指摘。「軍拡にメディアも市民も沈黙していてはだめだ」と訴えた。